ポポンSと授乳婦さんの話
● 授乳婦のシズカさんから、お便りをいただきました。
--- シズカさんからのご質問 ----------------------------------
質問なのですが、今30歳代で授乳中なのですが、
積極的に摂ったほうが良いサプリメントなんかはありますか?
よくポポンSを聞くのですが・・・。
どうぞよろしくお願いいたします。
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● シズカさん、初めまして。
ポポンSとは、マルチビタミンに、カルシウムとマグネシウムを合わせた、
塩野義製薬の製品です。
授乳婦さんは、母乳にかなり栄養を取られますから、ビタミン、ミネラルはもちろん、カロリーの必要量も増大しています。
カルシウムは、マグネシウムと、2対1の割合で摂ると良いミネラルです。
たまにカルシウムオンリーのサプリがありますが、それと比べると、マグネシウム入りの方が良いです。なぜか?
■ マグネシウムの体内でのはたらき
・筋肉を動かすなど、エネルギ−燃焼にかかわる
・神経伝達を行う際に、細胞内のカルシウム量をコントロール
(カルシウム・ナトリウムポンプの調整役)
・骨の形成を助ける
・マグネシウムは骨芽細胞に働きかけ、カルシウムが骨に入る際に必要
マグネシウムがないと、カルシウムが上手く骨内に入り込めないばかりか、
せっかく取り入れたカルシウムも骨から流出しやすくなってしまうのです。
また、女性が毎日の食事で十分なカルシウムを摂取することで、月経前緊張
症候群(PMS)や生理痛に関連する症状の一部が緩和されることも、明らかになりました。本当は、マグネシウムも一緒に摂ったほうが効果的ですが、カルシウムだけのサプリでも、生理痛を軽減します。
PMS : premenstrual disorder syndrome
月経前緊張症候群 (げっけい まえ きんちょう
しょうこうぐん)
私の実家では、全薬工業の『カタセ錠』※を常備していました。カタセ錠は、カルシウムだけですが、生理痛に効いていました。
※カタセ錠:カルシウムとヨクイニン配合 妊婦さんは不可。授乳婦さんはOK。
■ ポポンS(塩野義製薬)とは?
ポポンS 100錠 希望小売価格 1,800円 (50日分)
ポポンS 180錠 希望小売価格 2,900円 (90日分)
処方を見てみましょう。
白色の楕円形の糖衣錠で、2錠が、成人の1日量です。
●成 分 (2錠中)
パルミチン酸レチノール(ビタミンA) 2,000ビタミンA単位
塩酸ジセチアミン(ビタミンB1誘導体) 10mg
リボフラビン(ビタミンB2) 6mg
塩酸ピリドキシン(ビタミンB6) 8mg
ニコチン酸アミド 50mg
アスコルビン酸(ビタミンC) 150mg
コレカルシフェロール(ビタミンD3) 200国際単位
酢酸d-α-トコフェロール(天然型ビタミンE) 15mg
無水リン酸水素カルシウム 68mg
沈降炭酸カルシウム300mg (カルシウムとして
140mg)
炭酸マグネシウム 79mg (マグネシウムとして
20mg)
つまり、ポポンSは、『マルチビタミン』、『カルシウム』、 『マグネシウム』を組み合わせたものなのです。
■ 『マルチビタミン』と『カルシウム』を別々に買ってもOK ■
例えば、『ネイチャーメイド マルチビタミン』と、『アクティオ マグネシウムカルシウム』という製品があります。他にもいろいろあります。
●ネイチャーメイド マルチビタミン(大塚製薬)50粒(50日分)
価格 : 1,029円(税込)
1日1粒中
ビタミンA 2000IU
ビタミンB1 1.5mg
ビタミンB2 1.7mg
ビタミンB6 2mg
ビタミンB12 3μg
ナイアシン 15mg
パントテン酸 6mg
葉酸 200μg
ビオチン 30μg
ビタミンC 300mg
ビタミンD 200IU
ビタミンE 26.8mg
●アクティオ マグネシウムカルシウム(アサヒフードアンドヘルスケア)
120粒(1日4粒なら、30日分) 1,029円
90粒(1日4粒なら、約22日分) 780円
4粒中
カルシウム 200mg
マグネシウム 100mg
ビタミンD 40IU
ビタミンK 2μg
●定価ベースで、1日あたりの金額を換算すると、
ポポンS 36円(ビタミン+マグネシウムカルシウム)
ネイチャーメイド マルチビタミン 23円(ビタミン)
アクティオ マグネシウムカルシウム 34円(マグネシウムカルシウム)
まあ、店頭売価で計算しないと、あまり意味はありませんが。
■ その他、授乳中のママさんにオススメのOTC
カゼの引き始めにだけ効く、漢方の葛根湯(かっこんとう)は、母乳が出にくい授乳婦さんに使うと、母乳が出やすくなることがあります。また、のどが痛かったり、咳が続くようなら、のどがうるおう麦門冬湯(ばくもんどうとう)がオススメ。幼児から飲める穏やかな漢方です。
あとは、タウリン。
母乳に多く含まれ、赤ちゃんの脳に多い、アミノ酸の一種です。タウリンは、栄養ドリンクの多くに入っていますし、食べ物なら、イカ、タコ、カキなどの魚介類に入っています。
大型魚の血合いに良く入っていますが、授乳婦さんは、マグロなどは水銀汚染の関係で、食べ過ぎないことを推奨されています。たま〜に、数切れ食べるなど、控えめにした方が良いでしょう。
■ ポポンSの豆知識(塩野義ホームページより改変)
Q.ポポンSの名前の由来は?
A. ぽぽん(活力や意欲が非常に盛んなことを意味する旺盛擬声語)
+SHIONOGIのSで、ポポンSの名前になっています。
Q.毎日続けて服用しても良いのでしょうか?
A.用法・用量を守っていただければ問題ありません。ただし、1ヶ月位服用しても、目的とした症状がよくならない場合は服用を中止し、医師または薬剤師にご相談ください。
Q.妊娠時に服用しても良いのでしょうか?
A.妊娠、授乳期の栄養補給が認められていますが、妊娠とわかれば、服用前に、産婦人科の担当医師とご相談ください。
Q.ポポンSを服用すると尿が黄色くなるのですが・・・
A.この黄色は、ビタミンB2の色です。
※ビタミンB2 別名リボフラビンは、蛍光黄緑色のビタミンです。尿の黄色が濃くなるのはこのためです。ドリンク剤やサプリを摂っても、黄色くなります。
Q.ポポンS(2錠)のカロリーはどのくらい?
A.ポポンS 2錠中で約1.725カロリー
(2005年4月)
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