総合感冒薬(市販のカゼ薬)
そろそろ寒くなってまいりました。空気が澄んでピン!と張り詰めています。忘年会シーズンもすぐそこだぁぁぁ〜!さて、風邪の季節と言えば・・・インフルエンザ接種。
今年こそは子供に受けさせます。去年は売り切れでしたからね。
ところで、インフルエンザワクチンの仕入れ値って2000円なんだそうです。大人は1本に付き2回、子供は3回受けられると。
んじゃー、最低でも利益率50%以上ってことかい。
4千円も5千円もとるところってどうなってんだい?(江戸っ子風)
うちの子供のかかりつけ医は、接種料2000円なので良心的なんですね。
ところで、インフルエンザはOTCの守備範囲ではありませんので、普通のカゼ薬(総合感冒薬)についてやります。
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まずは、ベンザシリーズ(タケダ;武田薬品工業)から
何故ベンザからかって言うとみょーにCMが印象に残るからです。
<ベンザのCM>
黄色、銀色、青色、3色のベンザ。
あなたぁのか〜ぜに狙いをつ〜けて♪ベェンザブロックゥ〜って感じで、
和久井映見さんがやってますね。
・黄色のベンザ;鼻をフガフガは、小島奈津子アナ
・銀のベンザ ;ノドが痛〜いは、段田安則
・青のベンザ ;寒気がして熱が出てクラクラ〜は、森口博子
っていうのはどうなんでしょう。森口博子さんは鼻がフガフガの方が似合うような。「もりぐひでーす」みたいな。
閑話休題o(^o^)o
以下、ベンザ3製品の全成分です。眠くなっちゃうと言わずに、ちらっと
でいいから、見比べてみて下さい。
■ 黄色のベンザ;鼻用・ベンザブロックS錠
6錠(成人の1日服用量)中
・アセトアミノフェン900mg ;熱をさげ、痛みを和らげる
・ヨウ化イソプロパミド 6mg ;鼻水を和らげる
・d-マレイン酸クロルフェニラミン 3.5mg ;鼻水・くしゃみを和らげる
・トラネキサム酸 420mg ;のどの痛みを和らげる
・リン酸ジヒドロコデイン 24mg ;せきを和らげる
・dl-塩酸メチルエフェドリン 60mg ;せき・たんを和らげる
・無水カフェイン 75mg ;頭痛を和らげる
・ビタミン類 ヘスペリジン(ビタミンPの一種)90mg
■ 銀のベンザ;のど用・ベンザブロックL錠
6錠(成人の1日服用量)中
イブプロフェン 450mg ;熱をさげ、痛みを和らげる
塩酸プソイドエフェドリン 135mg ;鼻づまり・鼻水を和らげる
マレイン酸クロルフェニラミン 7.5mg ;鼻水・くしゃみを和らげる
リン酸ジヒドロコデイン 24mg ;せきを和らげる
無水カフェイン 75mg ;頭痛を和らげる
■ 青のベンザ;熱用・ベンザブロックIP錠
9錠(成人の1日服用量)中
イブプロフェン 450mg ;熱をさげ、痛みを和らげる
マレイン酸クロルフェニラミン 7.5mg ;鼻水・くしゃみを和らげる
dl-塩酸メチルエフェドリン 60mg ;せき・たんを和らげる
リン酸ジヒドロコデイン 24mg ;せきを和らげる
無水カフェイン 75mg ;頭痛を和らげる
ビタミン類 ヘスペリジン(ビタミンPの一種)90mg
■ 結論です!
鼻用だー、のど用だー、熱用だーと言っても、どれにでも効くのが「総合感冒薬」なのです。鼻用にだって、咳止め成分や、解熱成分も入ってるじゃん!のど用を選んでも、鼻の薬やら解熱成分が入ってるじゃん!
つまり、総合感冒薬なら、どれを選んでも大きなマチガイはないのです。
病院の薬は、PL顆粒(総合感冒薬;塩野義製薬)のような例外があるにしろ、単成分の薬がほとんどなので、お医者さんに症状に合わせてオーダーメイド処方してもらえます。
一方、市販の総合感冒薬は、どの症状にも効くように、まんべんなく色々な成分が入っているのです。それならナゼ、メーカーは色々差別化ポイントを主張してくるのか?「お客様が選びやすいように」「生活者の利便性を考えました」と言うのか?・・・それが、プロモーションってやつなの
です。
同じような成分・品質の製品でも、デザインやCMや、店頭の陳列の仕方で、お客様へのアピール度が違ってしまう。売上に響いてしまう。CMが禁じられている病院の薬と比べ、マーケティングのなんと重要な事でしょうか!
■ しかし「どれを選んでも良い」というと、あまりに不親切なので、
選択のポイントを挙げるとすれば・・・
・熱が高い、のどの痛みが強い時には、解熱成分・イブプロフェン入りの風邪薬を選ぶべし(アセトアミノフェンは、幼児から使える解熱成分、消炎効果はイブプロフェンの方が強い)。
・咳が辛い時は、リン酸ジヒドロコデイン(どの風邪薬にも入っている鎮咳成分・以下リンコデ)だけではなく、メチルエフェドリンやノスカピン等、鎮咳成分をプラスしたものを選ぶべし。
※ベンザで言うと青のベンザ(ベンザブロックIP)
●ここで、注意点です!
・喘息持ちの人、風邪をきっかけに喘息っぽくなる人は、リンコデ(リン酸ジヒドロコデイン)によって悪化する場合があります。リンコデの入っていない総合感冒薬というのはないので、「リンコデのない咳止めをください」と言って買いましょう。
・昔、小児喘息だったが、大人になってからはなっていないという方は、大丈夫な事が多いでしょう(私自身がそうです)。
・リンコデは、腸のぜん動を抑えるので、便秘になることがあります。
・市販薬はおおむね、病院の薬と比べて作用がおだやかです。ぶっちゃけ2倍飲んだってなんともないでしょう(冗談です、絶対に止めて下さい)市販薬にも重大な副作用はあります。
・恐ろしい副作用の代表格は、スティーブンスジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)。ひどい薬疹のような状態から、全身がただれ、失明に至る事もあります。これは、強いアレルギー反応によるものですから、どんな薬でもなる可能性があります。総合感冒薬、解熱鎮痛剤、抗生物質等でみられる事があります。
・あれ?おかしいなと思ったら、どんな薬も即中止。病院へかかりましょう。早期治療をしてもらえば、後遺症を防げます。ひどい副作用の場合、病院ではステロイドの点滴、補液等を行います。
■編集後記■
私は風邪をひいても、たいして熱が出ない方です。平熱に毛が生えた程度。少々の熱は、身体が免疫活動している証拠ですから、解熱成分をあまり飲みたくないのです。そういう場合は「咳止め」を飲んだりします。咳止めには解熱成分が入っていません。具体例はまた後日!皆さん、風邪をひかないで頑張りましょう。 (2004年11月)
そのカゼ、どこから?鼻から?のどから?
→→→日々のストレスからです。マチガイない!!
(ヘスペリジンについて、別添)
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