バンドエイド
キズパワーパッドで、化膿しちゃった!
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『キズパワーパッドで、化膿しちゃった!』
というメールをいただきました。「キズパワーパッドの危険性もぜひ告知してほしい」ということで、今回は、マイナス面をお知らせいたします。
今一度、「バンドエイド
キズパワーパッド」についての注意点です。
【軽いキズ、すりきずができてすぐに、水洗いして、水気をとって】使っていただきたいということです。
正しく使えていない場合や、糖尿病など化膿しやすい疾患を持っている方は、化膿する場合があります。また、【すでにカサブタになっているキズ】、【ニキビや吹き出物】、【深いキズ】、【すでに化膿したキズ】などには向きませんので、ご注意ください。
その注意をふまえた上で、やはり「バンドエイド
キズパワーパッドは、どなたにでもオススメできる、すばらしい特長をもった製品」だと思います。
■ 「バンドエイド キズパワーパッド」で化膿ちゃった!(読者メールより)
読者のフクスケさんより、メールをいただきました。
● 私は先月、下肢静脈瘤の切除手術を受けたのですが、その時の切開傷がふさがるまで…、と思って退院後この商品を選び、使ってみました。
ところが、3日ほど経ったところでなにやらジクジクしてきて「ちょっとアブナイかな」と思ったので(私は医師・薬剤師・看護師のいずれでもありませんが、診療所に長年勤めている関係で、そうした感覚がほかのひとよりは身についているようです)、剥がしてみたところ、化膿していました。
即座に勤務先の先生に診てもらって抗生剤を処方してもらい、テラマイシン+普通のガーゼ+絆創膏テープに切り替えたので事なきを得ましたが、もし私がナンの知識もないまま5日間貼り続けていたら…と思うとちょっと怖いです。
ちなみに化膿した傷は太ももの付け根にある2センチ程度の大きさで、退院時執刀医からの指示は「まだきちんと癒着するまでは絆創膏などで保護してください」ということでした。
執刀医に文句を言うつもりはありませんが、こうしたケースでこの「キズパワーパッド」を購入するひとも多いはず。
私の貼り方が悪くて雑菌が入ったのか、そのあたりは明確ではありません。もしかしたら、このような傷に「キズパワーパッド」が向かないのかもしれません。
それでも薬局・薬店・ドラッグストアなど販売する側の方は、もう少し注意を喚起してもらいたいな、と考えるようになりました。
たとえ説明書があったとしてもそれは箱の中、買う前に開ける訳には行かないのです。また箱に注意書きがあっても、細かい字をいちいち確認するお客さんは
いったいどのくらいいるのでしょうか?
たかが絆創膏でも、されど絆創膏、使い方を間違うと高価なものでも無駄になるどころか有害になります。メルマガにあるような、メリットを享受した消費者の意見ばかりでなく、マイナス意見もある…その点をふまえて商品の紹介をしていただけたら、と思っています。
▼ フクスケさん、おっしゃるとおり、マイナス面も重要ですね。
メールを拝見する限り、原因はひとつには絞れませんが、ひとつには、やはり手術後のキズには向かないであろうということです。日常の【軽いキズ】にお使いいただきたいと思います。
しかし、免疫力が低下した人の中には、軽いキズでも化膿する場合がないとはいえませんので、不安な場合はご相談の上で使いましょう。
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また、私自身も添付文書や箱書きは文字が多く、読むのを面倒がるほうですが、大切な説明ばかりですので、すみずみまで読んだほうがよいですね。
最近では、製薬会社が読みやすいように、パッケージにあれこれ工夫をほどこしているものも多いので、がんばって読むようにしてください。
▼ 医薬品などのマイナス情報は、具体的なものほど、みなさんの参考になると思います。フクスケさん、ありがとうございました。
次は、痛み止めについてのご質問です。
■ キズパワーパッド、茶色くあとが 残ってしまった!(読者メールより)
読者の薬剤師のタマゴさんからのメールです。
キズパワーパッドのことですが、私も使ったことがあるんです。
転んでヒザを擦りむいてしまったので、洗って普通の絆創膏を貼っておいたのですが、浸出液(しんしゅつえき)がとまらなくて服などについてしまうので、次の日にキズパワーパッドを買ってきてはり替えたんです。
そしたら確かにお風呂に入ってもしみなくてよかったんですが、茶色い痕(あと)がのこってしまいました。
今思えば見えなくても、かさぶたができかけだったのかな・・・。
メルマガでは「かさぶたのあるキズには使えない」と書いてあったので、わざわざ連絡する必要もないかな・・・と思ったのですが、やっぱり連絡しようと思いました。
かさぶたができてるかどうかわからなくても、キズができてすぐに使うのでなければ、避けたほうがいいかもしれません。
※(これは使ってみて良くなかった!という感想です。前号では、良かった!というメールを紹介しています。あわせてご覧ください)
▼ 薬剤師のタマゴさんの、キズパワーパッド使用例でした。
たしかに、キズパワーパッドは、キズができたらその日のうちに、ていねいに水洗いしてから、5日間、貼り続けるのがベストです。かさぶたができてしまったら、使わないでくださいね。
キズができてすぐに、しっかり水道水で洗って、水気をふきとってからお貼りください。
▼ それから、体質的にキズアトがつきやすい、治りにくい方は、バンドエイドの種類によらず、あとがつきやすい場合があります。
かくいう私も、キズアトが残りやすい体質です。ほとんどの方は、キズアトが残っても、半年もすれば消えるはずです。薬剤師のタマゴさんが、キズアトが残りやすい方でなければ、茶色いアトは、次第に消えていくのではないでしょうか。
ところで、キズが治りにくいと「ケロイド体質」と言われたことはありませんか。
医師ではなく、一般の年配の方がよく使うコトバのような気がします。した。
参考までに、「ケロイド体質とは」について、書きます。
■ そもそも、ケロイド・ケロイド体質とは?
ケロイドの定義について、キッセイ薬品のホームページより引用します。
『新しい皮膚が赤みやピンク色を帯びたまま、元のように白く治らずに盛り上がったり、かたく引きつったりした状態のことを、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)とか、場合によってはケロイドといいます。』
つまり、 一般に「ケロイド」と呼ばれているものの多くは、正しくは「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と呼ばれるものなのです。(私は、コレになりやすいです。)
▼ ケロイドと、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)のちがいとは?
キズアトが、赤くて薄い皮膚から、白っぽいふつうの肌色になるのが正常ですが、
● 肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)とは
赤っぽく薄い皮が、少し盛り上がったような、つっぱったような状態で、残ってしまう。ときどき少し、かゆいこともある。そういうのが、キズアトの範囲内でできるのが、肥厚性瘢痕(ひこうせい
はんこん)です。
● ケロイドとは
一方、キズアトより大きく、キズアトを超えてもりあがり、正常な皮膚にまで広がっていくのが、「ケロイド」です。
人によっては、手術とかケガなどの理由がなくとも、ケロイドがあらわれることがあります。被爆の後遺症としても知られています。
▼ このようにケロイドとは、私たちが気軽に使っているコトバのイメージより、重症なものを指しますので、キズが治りにくい、キズアトが残りやすい程度の人は、医学的にはケロイドとは言わないのです。
でも、「あなたは、肥厚性瘢痕(ひこうせい はんこん)です」と言われても伝わりにくいと思われることから、お医者さんから「あなたは、ケロイド体質ですね」と説明することもあるようです。
(2007年4月)
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